2013/12

『花園大学日本文学論究』第6号

・福田博則「「春琴抄」の周辺~内田百間「柳検校の小閑」への影響を考える」


[要旨]「春琴抄」の存在は、少なからず当時の文壇に影響を与えたと考えられる。谷崎の代表作の一つであるが、発表当時、必ずしも 肯定的な評価を得ていない。特に谷崎が目指した「ほんたうらしい感じ」については議論が起こり、小説の方法論についての意見が多数輩出した。内田百間の作 品に「柳検校の小閑」という作品がある。盲人を主人公とし、視覚を排除した一人称の描写によって、盲人の世界が描かれている。これは「春琴抄」で谷崎が提 唱した「ほんたうらしい感じ」を描くことについて、百間が出した答えと手法であると考えられる。このような「春琴抄」の影響は他の作家に対してもあると考 えられ、「春琴抄」の影響については今後もっと掘り下げて考える必要があり、今後の研究の課題として位置 づけられるだろう。【福田博則】

『語文』第100・101輯

・張麗静「〈予覚〉する夢に託された女性像─谷崎潤一郎『母を恋ふる記』をめぐって─」

『同志社国文学」第79号

・李春草「谷崎潤一郎『鶴唳』における漢籍要素」
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2016年度をもって閉会した谷崎潤一郎研究会の公式HPを引き継いで設置。
谷崎潤一郎(1886-1965)および周辺の文学・文化に関する研究の情報提供を行う。

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