2018/01

『文学のなかの科学 なぜ飛行機は「僕」の頭の上を通ったのか』

bngkkgk文学も科学も、そう遠いものじゃない!?
寺田寅彦は、金平糖の結晶やガラスの割れ目など偶然に見える現象に法則を見いだそうとし、二葉亭四迷・夏目漱石をはじめとする近代作家たちは、文学作品のうちに隠された法則を探ろうと苦闘した。小説のなかに働く力学と、20世紀後半に確立したカオス、フラクタル、セルオートマトンといった複雑系の科学。芥川龍之介、谷崎潤一郎、村上春樹といった作家たちの文学と科学とをつなぐ、物語生成の法則を考察する。 附録に、全集未収録の横光利一「文学と科学」、寺田寅彦の書簡も掲載。【出版社の紹介文】
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谷崎関連では、「第Ⅰ部 カオス・フラクタル・アナロジー」のなかの「芥川龍之介と谷崎潤一郎─小説の筋(プロット)論争をめぐって」およびcolumn「建築と文学─谷崎潤一郎の場合」。それぞれ谷崎の文学観、芸術観、創作の方法論をめぐる論述が展開されている。

>>目次等の詳細はこちら(出版社のサイト)


(千葉俊二著、勉誠出版、3,200円+税)

『解釈』第64巻1・2号(2018年1・2月号)

・田村悠「谷崎潤一郎「私」論─秘密という技法─」
・木村愛美「谷崎潤一郎と人魚の邂逅─「人魚の嘆き」と活動写真「海神の娘」「美人島」との関連─」
 

『リテラシー研究』第11号

・柴田希「谷崎潤一郎の〈映画離れ〉─ドイツ映画『ヴァリテ』と室生犀星の映画評を補助線に─」
 

『幻の雑誌が語る戦争 『月刊毎日』『国際女性』『新生活』『想苑』』

ishikawa 存在すら知られなかった雑誌『月刊毎日』が発見された。検閲のゆるい占領下北京だからこそ見逃がされた小説や批評は、意外なほど冷静に現実を直視する文化人の姿を映し出す。戦後GHQの検閲の実態や、女優・原節子の貴重なエッセーも掲載。附・『月刊毎日』『国際女性』『新生活』総目次。【本書オビ文より】

2015年以降、古書店で次々と発見された話題の雑誌の全貌がこの1冊に!「占領下北京発 幻の雑誌――石川達三や壺井栄 体制批判的作品も」と朝日新聞に大きく報じられた『月刊毎日』。新資料の発見・紹介・解読によって、戦中戦後の日本人が言論統制をかいくぐりながら吐露した本音が、本書にはぎっしり詰まっている。そこには意外にも余裕や冷静さもあり、日本人としてどう生きるのかを真剣に考えた軌跡がある。先の敗戦を語るには素通りできない、必携の一冊。【出版社の紹介文】
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谷崎関連では「第2章『国際女性』と谷崎潤一郎」に、顧問を務めた谷崎と雑誌『国際女性』および編集者との関わりを詳述、終戦直後の谷崎の動向が浮き彫りにされている。

(石川巧著、青土社、2,600円+税)
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2016年度をもって閉会した谷崎潤一郎研究会の公式HPを引き継いで設置。
谷崎潤一郎(1886-1965)および周辺の文学・文化に関する研究の情報提供を行う。

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