『文学・語学』第241号

特集:視覚化される文学ー視覚的享受の多様性とその意義ー
・酒井敏「文学作品をヴィジュアル化する際の「文法」ー谷崎潤一郎「春琴抄」を視座としてー」
 

『テクネ』vol.45(第35巻第45号)

・千葉俊二「西村将洋著『谷崎潤一郎の世界史』およびトーマス・ハーパー先生のこと」
 

『愛知淑徳大学論集 創造表現学部篇』14号

・西野厚志「決定版『谷崎潤一郎全集』補遺 ─「舞踏劇 母を恋ふる記」「原作者の言葉〔映画「痴人の愛」(一九四九)〕」「太宰治『お伽草紙・新釈諸国噺』推薦文」ほか─」
 

『日本文藝學』第59号

・福田博則「谷崎潤一郎「羹」における反漱石の志向─「悪魔」と「悪魔(続編)」を補助線として─」
 

『花園大学日本文学論究』第16号

・福田博則「谷崎潤一郎「蘆刈」論─「わたし」の認識から考える─」
 

『国際文化コミュニケーション研究』7号(東洋大学文学部国際文化コミュニケーション学科)

・石田仁志「1920年代の文学と映画─谷崎潤一郎から川端康成・横光利一へ─」
 

『昭和文学研究』第88集

(資料紹介)
・西野厚志「削除版『潤一郎訳源氏物語』とその時代─谷崎潤一郎書簡(富山市立図書館山田孝雄文庫所蔵)一三通を読む」
 

『谷崎源氏の基礎的研究』

『谷崎源氏の基礎的研究』
戦時下から敗戦、そして戦後復興期にかけて変貌し続けた谷崎源氏というテクストの動態を通して、現代に生きる我々の「源氏物語観」の淵源を遡り、それが醸成される足跡を検証する
*** 
本書の目指すところは、創作の傍らでなされた「副次的な仕事」としての検証に留まらない。天皇、皇族の人生を描く『源氏物語』は、戦時下においては不敬文学としてあらぬ批判にさらされ、戦後においては民主化、欧米化が急速に進む中で忘却されてゆく可能性もあった。この作品が現代を生きる我々にとっても依然として、「日本人」のアイデンティティに深く関わる「聖典」で在り続けていることの背景に、「昭和源氏」の影響があったことは疑いない。谷崎源氏という企画は、『源氏物語』享受史上において作家の手による源氏訳という方法を確立し、社会規範や国家観が大きく変容してゆく日本社会をにらみながら約三〇年という長期間に亘り繰り返された。〈新訳〉草稿から浮かび上がる実態の数々は、文学研究を越えて、巨視的に見れば戦前・戦後の社会・経済・文化、微視的には日本人の心性の連続と断絶を考察する格好の素材ともなろう。(序章より)

(目次)
序章
 一  『源氏物語』の近代
 二 谷崎源氏の概要と本書の構成
 三 本書で明らかにしたいこと

研究編
第一編 昭和源氏の実像
 第一章 二つの谷崎源氏
 第二章 許されざる表象
 第三章 再び『源氏物語』を「現代」に「移植」する
 第四章 文体を一新する
第二編 翻訳と創作の交渉
 第一章 「文学的翻訳」の創出
 第二章 創作の内幕―『猫と庄造と二人のをんな』論(一)
 第三章 典拠としての『源氏物語』―『猫と庄造と二人のをんな』論(二)
第三編 古典研究との往還
 第一章 校閲者山田孝雄と『源氏物語』
 第二章 岡崎義恵の「谷崎源氏」論
 第三章 国文学者と時局

資料編
 一 國學院大學蔵『潤一郎新訳 源氏物語』
  草稿山田孝雄書き入れ旧訳本 本文加筆箇所対照
 二 富山市立図書館山田孝雄文庫蔵自筆原稿翻刻
  「源氏物語は何を目さしてかいたか」翻刻
 三 最後の〈旧訳〉―『藤壺―「賢木」の巻補遺』の
  ヴァリアント

終章

初出一覧
関係資料一覧
 一 谷崎源氏以前、および同時代の文献
 二 谷崎源氏にまつわる先行研究
 三 参考文献
あとがき 
(大津直子著、武蔵野書院、13,500円+税) 

『國語國文』第92巻第12号(通巻1072号)2023年12月号

・松本和也「谷崎潤一郎「春琴抄」同時代受容分析」
 

『日本思想史学』第55号

特集・〈2022年度大会シンポジウム〉人と動物のかかわりの思想史
・真辺将之「近現代日本における猫への眼差し─室生犀星・谷崎潤一郎を題材に─」
 

『立命館文學』第685号

・何 姝霖「谷崎潤一郎「小僧の夢」論 ─庄太郎をめぐって─」
 

『文学・語学』第238号

特集:日本文学のうちなる翻案ー平安朝物語の変容と転生ー
・中村ともえ「谷崎潤一郎と歴史物語ー『誕生』から『少将滋幹の母』へー」
 

『テクネ』No.44

(谷崎潤一郎未収録書簡)
・千葉俊二「一枚の絵はがきから──明治四十二年三月の杉田直樹宛谷崎潤一郎の絵はがきについて」
 

『皇學館論叢』第56巻第2号

・永栄啓伸「谷崎潤一郎「鍵」おぼえ書 ─「刹那ガ永遠デアル」を中心に─」
 

『国文学研究』(早稲田大学国文学会)第198号

・大木エリカ「谷崎潤一郎「武州公秘話」におけるセクシュアリティの表象─一九三〇年代の変態性欲言説と良妻賢母思想をめぐって─」
 
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TANIZAKI Studies Blogs
2016年度をもって閉会した谷崎潤一郎研究会の公式HPを引き継いで設置。
谷崎潤一郎(1886-1965)および周辺の文学・文化に関する研究の情報提供を行う。

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